有給休暇がとれないのは給与未払い・タダ働きと同じだ。それに対価がない労働は搾取。
ふと働いていて疑問に思ったことがあるので書く。
有給休暇についてだ、働き方改革の追い風もあり、に2019年に有給休暇の義務日数が5日以上となった。
そもそも有給休暇は完全取得が普通ではないのか?
個人の裁量で計画的に日数を残すことは良いことだが、労働者が使用したいのに、使用出来ないという環境がおかしいのであって、有給消化していないことをとやかく言われる筋合いはない。(先日もコロナワクチンを打つために有休申請しても大丈夫かな~?みたいな会話があったが、そんな心配を労働者がすることがおかしいと思う。)
・有給休暇を付与するだけでなく、完全取得出来る環境づくりも経営者の責務だ。
・自己研鑽などの勤務外での宿題・レポート・上司手動の飲み会・慰労会は搾取である。
・状況を変えるためには転職しかないかもしれない。
- ①有給休暇・福利厚生がとれないのはタダ働きだ。。
- ②対価のない労働はただの搾取である。
- ③【労働者にできること】私なりに考えたこと。
- ④まとめ 結局は経営者が会社の空気やルールなど全て作っているのだ。
①有給休暇・福利厚生がとれないのはタダ働きだ。。
ちなみに有給休暇・社会保険料も給与を決める際に全て計算されているので完全取得が当たり前。
だが、いぜん日本の有給休暇取得率は低い。
上記の計算でいくと、半分以上を未使用のまま放置されていることになる。しもか有給休暇の数には上限があるため、何年か経過すると上限値を超えた部分は流れる(失効)することになる。
1日分の給与が失われているという事。
それに、このグラフには大企業が含まれているので、中小企業などはもっとヒドい有給休暇の取得率だと思う。
悲しい現実だ。
ちなみに他の国はどうなんだろう?
ひどい結果なこと。
それも経済がどんどん伸びているような国の状態ならばわからないでもないが、鈍化して成熟しているような国の状態だとは到底思えない。
なぜ有給休暇の取得率がこんなに低いのだろうか?
日本人の意識をどうなんだろう。
この罪悪感というのも大きな問題だ。
これは個人の価値観や考え方というよりも、社会全体や会社全般の考え方といったほうが正しい。やはり日本の企業風土には有給休暇に対しての圧力が存在することがわかる。そもそも罪悪感なんて持つほうがおかしい。
労働者の権利を何だと思っているのだろうか?
1.【有給休暇はお金だ】名ばかり有給休暇は搾取である。タダ働きである。
有給休暇は給与に含まれている。
それは事実だ。
なぜなら給与の計算の時に計上されているからだ。(大事なことなので何度でも書く。社員一人当たりの経費の計算でかならず有給休暇も含まれている。)
それに有給休暇は労働者の権利だし、労働者の所有物だ。
有給休暇の取得は経営者が決断してくれたら取得は容易になる。
なぜなら、会社が強制的に取得しろ!と命令を出してくれたら労働者は必ずとる。(逆に何だか濁したような態度をするから、私たち労働者は忖度(そんたく)を余儀なくされる。)
有給の完全取得出来ていないのは、結局会社が有給休暇を取得させる気がないからだ。
せいぜい「有給休暇をとるように」みたいな一応言っておきます。みたいな感じである。
でも実際には取得するのは「現場に迷惑がかからない程度に取得するように」みたいな感じの丸投げ状態である。
それでは取得できるはずもない。
取得して少しでも、現場に迷惑がかかるようなら経営者はすぐにこのように発言する。
・自分だけが良い思いをしようとするな!
・チームで物事を考えろ!
などと叱責してくる。
最もらしいことを言っているように聞こえるが、冷静に考えてみるとおかしな点がある。
そもそも有給休暇を取得できる仕組みを考えるのは、労働者の仕事でも役割でもない。
それに、全員が取得できるように促すのも経営者の仕事だ。
だって労働者には会社の労働環境や業務量や品質を決定する裁量など与えられていないのだ。
それなのに、「現場の仕事を調整しろ!」という要求は無理だし、無茶でしかない。そんな権限はないのだ。
出勤日は強制させるくせに、有給休暇に関しては見て見ぬふりである。
何とも都合の良いことか。
当たり前であるが、労働者が有給休暇を取得しやすい環境を提供するのも会社の役目である。
だから、経営者が「有給休暇を取得しないんですよ~」なんて言い訳は通用しない。(正しくは有給休暇をとりにくい仕組みを作っているのだ。)
したがって、有給休暇を全て取得できない環境を会社がつくっている場合は、労働者をタダ働きさせているのと同じでだと言える。(社員の経費として計上されているからだ。)
有給休暇が上限の回数を超えて流れてしまうことは、預金からお金が勝手に引き落とされてしまうことと同じだと捉えること。1回で1日分の給与だ。
2.社会保険料も労使折半とは聞こえは良いが。
労使折半!
「会社が半分負担してくれているだ!ありがたいと思え!」
そんな台詞を聞いたことがある人は多いはず。だがね、それも給与を決める際には計算して労働者に支給している。
「有給休暇と保険料と福利厚生が年間で○○かかるから基本給はこれぐらいだな」というような感じできちんと計算されているのである。
健康保険法第161条では、保険料の負担について、次のように定めています。 被保険者及び被保険者を使用する事業主は、それぞれ保険料額の二分の一を負担する。 ... 2 事業主は、その使用する被保険者及び自己の負担する保険料を納付する義務を負う
引用 保険料の労使折半義務(第161条)
したがって、制度上仕方なく半分払っているのであって、会社の善意で支払われているのではない。そのことを私たちは理解することが大事。給与の計算の時点で労使折半の分も込みで計上されている。
3.福利厚生の充実と言えば聞こえは良いが全ては給与に含まれている。
これについても同様である。全ては労働者が稼いだ利益から生まれている。これも給与や年間の経費として計上されているのだ。間違っても経営者の温情や優しさだと勘違いしてはならない。(本当に私たち労働者が豊かになるような福利厚生なら感謝しかないが。そんなものは稀である。)
したがって、十分に福利厚生を利用できないような状態であるならば、恐らく経営者はハローワークや求人募集での印象が良くなるためだけに制度を導入しているだけだ。これらも全て経費である。
福利厚生費用も大きな視点で見れば給与と何らかわらない。有効に使えなければ、あってもなかっても同じだ。
②対価のない労働はただの搾取である。
基本的に対価のない労働は搾取だ。
理由があろうとタダ働きだと思う。
これは何も「人でなし」でもないし「強欲」でもない。労働者としての当たり前の考えである。
本来、経営者と労働者の契約はそのようになっているはずだ。
至ってシンプルであり、それ以上でもそれ以下でもない。
したがって「仕事の報酬は仕事」なんて理屈は通用しない。
「理不尽」の典型例だ。
1.自己研鑽と称したレポートや報告書の強要について。
経営者は私たち労働者に対して声高に叫ぶ。
都合の良い経営者たちの言い分。
自己研鑽!
自己啓発!
向上心!自らを高める!
学びこそ喜び!仕事は第一!
といったような聞こえの良い言葉で労働者の休日に会社の宿題やレポート・報告書・調査書などを強要(暗黙)することは、ただの労働者からの搾取である。(明確に言えばそれは労働だ。)
なぜなら、そんな都合の良いことを言っているが内容は勤めている会社で必要な知識・スキルである場合がほとんどだ。
そういったスキルアップや自己研鑽は業務内にすることであって、休日にさせることではない。そんなものは体裁のよいタダ働き及び搾取である。
好き好んで自分がする分には結構なことだが、人に強制すると「害悪」となる。
したがって、我々労働者の休日に関していかなる労働もする必要などない。
それにこういったケースも断固として拒否していい。
労働中に何らかのミスをした。
結果として始末書・顛末書・報告書・反省書などを書くように命令された。
経営者OR上司からは「おまえのミスだから、仕事中に書くなよ!家で書いてこい!」みたいなことを言われたら断固拒否である。
そもそも会社から○○書を労働者に要求しているのであるから、それは立派な労働である。それを労働者が失敗したという負い目を逆手にとって悪用しているのである。
会社からの命令の○○書は労働である。それを勤務外に書かせようとするのはタダ働きと同じである。
実際に、類似したケースの被害者はたくさんいるのではないだろうか?全く労働者をなんだと思っているのだろうか。
2.飲み会や慰労会という名の会議・談合も労働だ。
勤務外の経営者とのつきあいも、基本的には労働扱いであると思う。
なぜなら、こちら側に決定権がないからだ。
飲み会や慰労会に拒否権があれば問題はないが、大体は暗黙の参加みたいな空気になっていると思う。それに断るのも理由がいる場合がほとんどであるし、参加しなかったら後日業務に支障をきたすことだってあるかもしれない。(人間関係などで)
一番厄介なのは、そういったプライベートな席で仕事の話をすることである。場所が会社から飲食店に変わっただけで話す内容は変わらない。
したがってこういったケースもタダ働きと何ら変わらないのである。
無礼講といえど、私たち労働者は経営者に気を遣うことになるし、失言をすると今後の進退に関わることだってあるはずだ。それを労働と言わずしてなんと呼ぶ。
飲み会や慰労会というのは、言葉通りの意味で開催されないと意味がないのである。でも、ほとんどの場合は部下が上司の顔色を伺っているのが現実だろう。まさにタダ働きである。
③【労働者にできること】私なりに考えたこと。
大きな変革は経営者でしかできない。
だから、労働者で出来ることを考えてみる。
1.有給休暇を完全取得できるように努力する。
有給休暇を完全取得するように計算して休む。
これが出来るような職場環境ならすぐに問題解決なのかもしれないが、なかなかそうはいかないのが現実だろう。
でも私たち労働者ができるのは実際に何とかして有給休暇を使用するしかない。
恐らく、今のご時世なので真っ向から、有給休暇に対して否定するような会社も少なくなっていると思う。(ゼロではないと思うが)
ただ、冒頭で示した通り取得率は低いのでやれることには限りがある。
2.部署内・チーム内で有給休暇完全取得を呼びかける。
有給休暇は労働者の権利だ。
だから、そのことを部署内やチーム内で共有してみんなで有給休暇の完全取得を目指すようにする。これが一番「再現性」がある有給休暇の完全取得ではないだろうか。
自分だけが有給休暇の完全取得をするのではなく、みんなで取得すれば職場の環境もすごく良くなる。
3.労働環境の良い会社に転職を考える。
こういった有給休暇を取得することをどうしても嫌がる経営者・上司というのは存在する。
その場合には、やはり転職するしかないと思う。
経営者の考えは労働者の私たちには変えることができない。
それに、労基署や労働局に相談して証拠・記録などを提示して、経営者を訴えたところで会社にはいずらくなる。そこまでして有給休暇がとりたいかなどと別の方面で問題になりそうである。
したがって、経営者を訴えるという選択は現実的ではない。
4.対価のない搾取、未払残業などは記録と証拠を残す。
ただ、有給休暇の完全取得は多少は我慢できても、未払残業は労働者として我慢してはいけないと思う。
しっかりと働いた分は給与として支払ってもらわないと、そもそもの労働契約が破綻してしまう。
・記録・証拠を必ず残すこと。
・退職願と一緒に証拠・記録を提示して給与を請求せよ。
・請求する前に、労基か弁護士に確認せよ。
労働者をタダ働きさせて平気な経営者を許してはならない。そんなものを放任していては、新たな犠牲者が増えるだけだ。
④まとめ 結局は経営者が会社の空気やルールなど全て作っているのだ。
何やらいろいろと書いたが、つまるところ労働者にできることは限られている。
労働環境の改善、ハラスメント各種の是正、モラル・教養の向上など労働者の品位というのは経営者の立ち振る舞いや教育で決まってくる。
それは、長らく会社勤めしている人なら良くわかるはずだ。
人は、接してもらったように人に接するものだ。
部下を雑に扱えば、その部下は自分の部下を雑に扱う。
大切してもらったなら、大切にする。
これは親子の関係と同じである。
労働者の場合は、できることが限られている、だからあまり肩に力を入れすぎないことがストレス回避にも良いのかもしれない。
会社の空気は経営者で決まる。
紛れもない事実だ。