【ブラック企業の末路】働き方改革と社会が、ブラック勤務を認めなくなったあとの哀れな会社。
・恐怖は人の善意や理性を吹き飛ばし、不正に手を染める。
・上っ面だけ「ホワイト」にしてもムダである。
・長い目で見た場合、ブラック企業は生き残れない。
・我慢の限界が訪れたら労働基準監督署に通報せよ!
・退職の前に転職や副業などを考える。
- ブラック企業の定義とは何だろう?私なりの体験を含めて考える。
- ブラック勤務「マンパワー」で成長した企業の終焉。
- ブラック企業の末路、今後の行く末は衰退及び淘汰しかない。
- 劣悪な環境の改善には労働基準監督署に通報。
ブラック企業の定義とは何だろう?私なりの体験を含めて考える。
まず客観的に見てもブラックである会社については下記を参照すればわかる。そもそもコンプライアンス違反がほとんどだ。
特に違法な分に関しては議論の余地はない。
だが「待遇が悪い」「労働環境が悪い」のカテゴリはグレーゾーンでもあるので私の体験を交えて考えていく。
経営者・幹部クラスの仕事への姿勢について
こういった姿勢・言葉が出てきたり、強要してくる場合はブラックであると私は思う。仕事が人生、気合・根性論を否定するわけではないが、他人に強要することは断固として否定する。偏った考えなどは自分のなかで信念として燃やしている間は素晴らしいものであるが、ひとたび周囲に向けられるとそれは「害悪」としか言えない。
定時で帰ることに対して、働いている人に「罪悪感」を与えるような会社もブラックであると断定できる。ちなみに私が勤めている会社はそうだ。だが冷静に考えてみると非常識である。契約書にきちんと就業時間が定められているのだ。
それを毎日のように破っていて罰せられないことは異常なことであると認識すべきだ。
「社会人は時間を守れ!!」
などという言葉はまやかしであり、正しくは・・・
「会社が都合の良いことだけ時間を守れ!」
「会社の不利益は目をつむれ!」
である。
これに類似したケースで「出勤時間にうるさく、終業時間にはとことんルーズ」なこともある。これもブラックである最たる場面だ。
体調管理についての考え方でもブラックさがわかる。
よくもっともらしい常套句がある。
何か堂々と言われると、まともなことを発言しているように思うかもしれないが内容は滅茶苦茶だ。だって、体調管理なんざ自分でコントロールできるものでもない。確かにできることもあるが、できない部分の方の割合のほうが多い。
例えば「発熱」「頭痛」「嘔吐」「気だるい」などの症状を自分の努力でコントロールすることなんてできない。ましてや気合や根性で直すことなんてできるはずもない。
仮に「俺は38℃で仕事していた!!」というような人がいたとしても、それは個人の勝手であり、推奨されることでも、ましてや強要されることもでない。そもそも命を削ってまで労働をすることが異常であると思う。
退職者を裏切り者扱いする会社には注意せよ!
これも、またおかしなことだ。
そもそも労働契約とは、労働者が会社に労働力を提供する契約だ。
つまり、それ以上でもそれ以下でもない。
それなのに、その労働について異議があるから退職しようとしている人に対して
こんなことを現実言っている会社は要注意だ。
実際私が最初に退職した会社はこんな感じだった。
最後の捨て台詞は「お前みたいな奴は、どこにいっても通用せんわ!裏切り者め!恩を仇で返しやがって!」
これは実話だ。
誇張してもないし、脚色もしていない。
本当に言い捨てられた。
でも、正直そのときは退職したことを後悔もした。私はその会社が初めてであったので他の会社の労働環境など知らなかったからだ。
・今よりもっと酷い環境になるのではないか。
・社会を甘く見ているのだろうか。
というような不安でいっぱいであった。
新しく勤めた会社は、多少ブラックではあったが比較できないほどホワイトだった。逆に退職した会社は5年後には姿を消していた。まあ私のような被害者が減ったことを考えればよかったのだと思う。今後もブラック企業は淘汰されていくことを切に願う。
ブラック勤務「マンパワー」で成長した企業の終焉。
ブラック企業がホワイトに寄ればよるほど、企業としては悲惨な末路が待っている。
社畜労働者である私には関係のない話ではある。
それにホワイトになり企業が苦しむのは、社畜労働者の責任ではない。
長期に渡り、社畜労働者を過酷な労働環境で飼い慣らしてきた報いである。
時代はブラックな勤務を求めない。
社会もホワイトな勤務を切望している。
令和の新卒社員にブラック勤務は通用しない。
昭和と平成の前半を魔法のブラック勤務で、成長してきた企業は残念ながら哀れな姿に成り下がる。
働いていて最近はヒシヒシと感じる。
出典 ブラック企業の過酷な実態「基本給は15万、年間休日数は10日未満。1日20時間働いても時間外手当はゼロ」(40代男性) | キャリコネニュース
本来は2人でする仕事を1人にさせる。
それに鬼のパワハラで、恐怖で社畜を縛り付け強制的に労働させる。
社畜の心は崩壊するが、仕事の生産性はとんでもないものになる。
これは事実である。
私が体験したからこそいえる。
膨大な仕事を押しつけられるとサービス残業するしかない。
勿論、拒否権などない。
それに恐怖のパワハラも加われば鬼に金棒である。
休みもない。
休憩もない。
時には食事をとることもできない。
徹夜することもある。
隠れて食べることもあった・・・ それに休憩をしていると怒鳴られたこともあった。
家には寝るためだけに帰る。
そんな毎日。
だが、会社の同僚も同じなので次第に洗脳され違和感もない。
そのため、労働者の健康は害されるが会社の業績は鰻のぼりに上昇していた。まさに右肩上がりであった。
私が一番嫌だと感じたパワハラは休日の電話攻撃だ!
パワハラで私がきつかったのが電話攻撃である。休日にわざわざ電話をかけてきてこんなことを私に言うのだ。
これが毎日である。
それも確認事項だけであれば煩わしいですむが、休日の気分を害する内容も多々含まれている。
そこには指導なんて要素はない。
ただ人格を否定されるだけの一方的なイジメである。
恐怖で支配された人は尋常ではない力(生産性)を発揮する。
だがね、社畜社員を強制的に労働させるためには効果絶大である。
その苦痛から逃れるために、あらゆる手段を用いて成績を上げようとするのだ。
恐怖に支配された人間はとんでもないパフォーマンスを発揮するし、いとも簡単に善意・正義・モラルも崩れ去る。
そこに不正や、顧客を無視したサービスが発生するのである。だからサービス残業も当然だし休日出勤も平気だ。そこに顧客を無視した営業活動まで加わるので無法地帯だ。当然、生産性という部分だけを切り取った場合凄まじい成果となる。
日本を代表する大企業でもこれである。人は恐怖の中では理性を失うのである。
私も経験がある。
さすがにニュースになるような法律を無視したはないが、成績を一時的に良くみせるための報告書を作成したり、虚偽(言葉遊び)のような報告をしてごまかしたりといろいろした。これらは何の生産性もない。
劣悪な労働環境で良いことがあるとすれば企業側だけであろう、1人で出きるはずのない仕事が何故かできるのである。
答えは。
労働力(サービス残業)+ 恐怖の強制労働 である。
だが令和になり、有給休暇の義務日数や長時間労働の是正などへの関心が高まり企業として、ブラック勤務やハラスメント関係に無関心ではいられなくなった。
SNSの普及も大きく貢献していると思う。
企業もコンプライアンスやハラスメント是正に関心を示しているが。
そのため企業も渋々、泣く泣くではあるがブラック勤務やハラスメントに対し厳しい姿勢を示すようになった。
それにより今までのような「ブラックマンパワー」は通用しなくなり、適正な人時が必要になる。
すなわち人件費の増加である。
人件費の増加は企業の利益を圧迫する。
つまり、ブラック企業の終焉である。
今までは劣悪な労働環境のおかげで「マンパワー(力押し)」戦略で勝負できた。
それが社会の変化での労働環境の改善により「マンパワー(力押し)」ができなくなった。
ブラック企業の一番の武器がなくなったのである。
まさに私が勤めている会社は典型的なブラック企業終焉のパターンである。
確かに以前に比べ労働環境は良くなった。
(適正に近づいているだけでまともとはいえないが)
とはいっても経営者としては「泣く泣く」「渋々」という本音が見え見えで残業などの根本的な部分には全く着手していない。本当の意味での労働環境は改善されていないままだ。
ブラック企業がにわかホワイト企業の真似事をした結果。
まあ形だけでもホワイトな環境に向かうには労働者としては歓迎すべきだ。そこまでは良かったが、その先がブラック企業である所以である。
ホワイトな勤務に強引にしたのは良いが、人員はそのままであるため今度は現場が全く機能しなくなった。
今の私が勤めている会社の状態は何とか、やらなければならないことをやり無理矢理終わらしているような毎日である。
そこに攻めの姿勢はない。
顧客のためのサービスなんて考えない。
ただひたすらに時間に追われているだけ。
その先に企業の繁栄はあるか??
ないだろう。
業績の右肩下がりか、運が良くて横ばいだろう。
※実際業績は数年間右肩下がりである。
多分この先も変わらないであろう。
これがブラック企業の行く末であり、末路である。
業績を反転させるためには、既存の方法では無理だと思う。
抜本的に企業の方向性や理念を変革しないと変わらないだろう。
ホワイトな労働環境に見合った、人員・設備・システムを導入しない限り継続してホワイトを保つことなどできない。
だからといって急にホワイトな労働環境にすると、きっと会社は傾く(利益圧迫)のだと思う。ブラックな会社というのは沈みゆく船と同じなのかもしれない。
まあ、社畜の私には関係ない話だがね( ̄∀ ̄)
それに抜本的な改革をしたときに私のような社畜は駆逐(リストラ)される可能性もある。(むしろ高いだろう)
何にせよ、労働環境が良くなることは社畜の私にとって良いことである。
ただ、業績が今後下がることがわかっているので昇給・賞与の増加はないと覚悟しなくはならない。抜本的な改革のためには、トップが交代するしかない。
ブラック企業の末路、今後の行く末は衰退及び淘汰しかない。
ブラック企業は今後生き残れない。というか生き残って欲しくもない。
私が一番危惧していることは、ブラック企業がのうのうと生きている世の中では、健全なホワイト企業が潰れていってしまい。結果、社会の悪の塊のような企業ばかりがはびこるようになる。
まあ、現代は転職活動に関して10年前に比べメディアでの露出も増えてきたし、SNSの普及によってブラックな体質も表面化しやすくなっている。そうなれば労働基準監督署から是正指導も入るだろうし、クチコミなどで求人募集に影響が出るようになる。
すると、自然にブラックな企業は人すら集められなくなり淘汰されることになる。私はそのようになることを望んでいる。労働者を苦しめるような会社が今後1社でも減っていくことを心から願っている。減れば減るほどホワイトな会社の売上・利益も増える事になるので好循環だ。ブラック企業・ブラック勤務・ブラック上司の撲滅を切に願う。
劣悪な環境の改善には労働基準監督署に通報。
上司に相談しても、会社の相談窓口に相談してもどうにもならないのなら、労働基準監督署に通報するしかない。正直なところ今の時代でブラックな勤務を強要してくるぐらいなので、相談したところでまともには対応してもらえないだろう。(ホワイトになるチャンスはいくらでもあったはず。)
退職を決意して内部告発する。
内部告発するさいには「退職する覚悟」はいると思う。法律では内部告発したものに、それを理由に会社は不利益を与えてはならない。などとの決まりがあるが心情として会社にはいずらくなる。会社に残れるような芯の強い人なら、最初から違法な残業などしないだろうし、はっきりと断っていると思う。
労働者が労働基準監督署に告発したことを理由として、使用者がその労働者に不利益な取扱いをすることは法律上認められていません(労働基準法104条2項)。
出典 労働基準監督署に告発したら、どうなりますか?|労働問題のよくある質問|ベリーベスト法律事務所
内部告発するときには、退職すると同時に過去の(2年まで)未払いの残業を請求してやめよう。(それについては後で詳しく書く)
正しい告発をしても恐らく会社の根本は変わらない。
告発して会社に残る場合を想定しても、会社の労働環境が良くなるとは断言できない。
いずれも、罪深い問題だ。
経営者が労働環境の改善に興味がなければ、確実に会社は良くならない。これは何も労働環境だけの話ではない。会社の方針は全て経営者の決断で決まるからだ。したがって、労働者側がいくら正しい意見を発信しようとも、内部告発しようとも上辺だけであり、根本的なところは改善されない。
現状で働いている会社がブラックな体質なのであれば、きっと経営者が変えるつもりがないのだと理解するべきだと思った方がよい。
まともな運営ができていないのも経営者の責任だ。
会社に利益が出ておらず、黒字と赤字の狭間の場合も正直手の打ちようがない。こういった業績も経営者の責任であるから、労働者は責任を感じる必要はない。
ただ、お金であるので、ないものは払えないし、儲けが出ていないのに人を増やすわけにもいかない。こういったケースの場合は近い内に破産する可能性もあるので、転職活動を急いだ方が良いかもしれない。
退職を決めたなら、仕事するフリして副業も。
「もうこの会社はだめだな・・・」と見切りをつけたなら、仕事をするフリをして副業などを始めよう。
何でも理由をつけて残業を断り、副業をするのも良いし、ありがちな「連れ残業」みたいな無駄な時間を上手く活用して副業を進めてもいい。(デスクの掃除や書類の整理やパソコンでの事務しているフリをするぐらいなら一心不乱にスマホで副業せよ!それか勉強して知識を蓄えよ。)
今の時代、スマホがあればブログでも何でもできる。スマホを持ち込めない環境なら、資格試験の勉強をこっそりすると良い。どうせ上司が帰らないから帰れないとか、定時で帰ったら白い目で見られるみたいな残業も多いはずだ。
会社を退職してから始めるよりも、働きながら何らかの副業を始める方が効率的だし、その過程で自らの得意な分野を開拓できるかもしれない。
労働だと割り切り、上手いこと会社に居座る。
労働意欲が私と同じですこぶる低いのならば、出世や評価を捨てて、「のらり、くらり」と会社に居座るのも悪くはない。業績が悪くなったときにリストラされるかもしれないが、それはエリート社員でも変わらない。
ちなみに上記の理由で会社を解雇などになることはまずない。そんなことになれば「切り札」の労働基準監督署へ内部告発だ。(基本的に会社は従業員を合法的に解雇しにくい法律になっている。※犯罪をしたとかは別)
未払い残業は労働基準監督署だが、ハラスメントや不当解雇は弁護士の方がよい。この辺は分けて考えたほうが良い。
そんな感じで割り切って働くことも悪くないかもしれない。何だかんだいっても、会社に出勤していれば給与と社会保険は保障される。社会保険は内容を理解すれば、そこいらの民間の保険なんて比較にならないほどの手厚い保険だ。
労働だと割り切って考えた場合、それほど悪くない選択かもしれない。特に私のように労働意欲がすこぶる低い人は、なるべく会社に居座ることを選択したほうが良いと思う。
転職活動をしながら、違法な残業の証拠を集める。
転職を考えているなら、水面下で静かに未払いの残業代や休日手当の証拠を集めよう。その際には近くの労働基準監督署に相談にいって、どういったものが証拠になるのかのアドバイスを受けた方が良い。何度もブログで申し上げているが、労働基準監督署への相談はノーリスクだ。
ちなみに転職活動をする人は、ある程度労働意欲が高い人の方が望ましい。※私のように労働嫌いの人は、そもそも労働が嫌いなので、今いる会社に何とか適応して図太く生き残るスキルを磨く方も検討したほうがよいと思う。
未払残業などの証拠と記録集めと並行して転職活動をしよう。ハローワークでも良いし、転職エージェントに頼るのも良い。基本転職エージェントは、私たちの経験やスキルで転職先を紹介してくれるので、おおむね自分の市場価値を知ることにも繋がる。
それによって、もっとスキルを磨くべきかどうか判断することもできる。今より待遇が良くなるようなら、さっさと退職すればよい。
転職活動をすることで、現実が見えてくることもあるはずだ。
サービス残業代を遡って請求できるのか??
結論としては「できる。」
労働基準監督署に相談すればできる。サービス残業していたという証拠があれば可能である。他にも弁護士にお願いする方法もある。
出典 残業代の請求方法3つ!請求の流れや解決期間を5つの手順で簡単に解説|リーガレット
いずれにせよ、サービス残業を請求した場合には会社にいずらくなることは間違いない。「そんなことは気にしない」という人は最初からサービス残業なんて断っている思う。サービス残業を渋々している人たちは、基本的に人の良い人ばかりだと思う。(私は含め)
だから現実的に考えた場合、サービス残業の残業申請は困難であると私は考えている。
会社をやめる覚悟がなければできないし、やめる覚悟があっても実行するのは正直気が引けるというのが実情ではないだろうか。今では残業アプリというものがあり、サービス残業を証明することができるらしいが、根本的に会社を訴えるということには変わりはない。
したがって、サービス残業の告発(未払残業の請求)を行うときは、会社を退職するときだと覚悟したほうが良い。未払残業に関しては退職の際に証拠があれば請求できるので、退職金の割増積立とでも思えば気分も楽にはなる。(一種の保険の考え方である。掛け捨て保険的な感覚だろうか(笑))
それにこういった時代に対応できなければ、ブラックな企業は遅かれ早かれ倒産することになる。まあ、社会にとってブラックな勤務でしか営業できないような会社は淘汰されてしかるべきなのかもしれない。